電気自動車の急速な普及により、電力網に対する私たちの考え方が、メーターの両側から変化しつつあります。
電気自動車(EV)の普及は、電力会社が電力網を考える際の視点を大きく変えつつあります。これは、家庭内の電気メーターだけでなく、グリッドエッジにも影響を与えています。
日本が2050年までにネットゼロ(カーボンニュートラル)の達成に向けて、あらゆる分野の電化が加速する中、EVはその鍵を握る存在であると同時に、課題も増えてきています。2035年までに新車販売の100%をEVまたはハイブリッド車にするという目標は、家庭の電力需要を大きく押し上げるでしょう。多くのEV充電は家庭で行われ、電力負荷は大きく、かつ柔軟に制御できるという特徴があります。
適切な技術を導入することで、日本の電力会社はこの柔軟性を利用して、グリッド計画、システムの安定性、そして顧客とのエンゲージメントといった付加価値を創出することができます。
その第一歩は、「可視化」です。
Sense EV Analyticsは、スマートメーターに組み込まれたAIを用いて、車種や充電器の種類に関係なく、家庭におけるEV充電を検出・分析します。高解像度の波形データをメーター内で処理することで、EVが「いつ・どこで・どれだけ」充電されているかをリアルタイムで把握できます。
この知見データにより、トランスフォーマー(変圧器)レベルでの計画から需要応答、炭素排出量の削減まで、よりスマートな意思決定を可能にします。
EVの普及と家庭へのインパクト日本は2030年までに600万台のEVの普及を目指しています。この場合、集中管理されている急速充電器のようなインフラとは異なり、充電の多くが家庭に集中することになります。家庭での充電が把握できなければ、需要予測やトランスフォーマー(変圧器)の負荷管理、需要応答プログラムの実施が困難になります。
メーターのインテリジェンスを活用した家庭での充電 Senseはレベル1とレベル2の充電の開始時間と停止時間を分単位で検出し、5分単位のkW負荷データを取得します。これにより以下のことが可能になります。
クラウドでの推測ではなく、グリッドエッジのAIを活用遅延を伴う15〜30分間隔のデータに依存するクラウドベースのソリューションに対し、Senseはスマホのようにスマートメーターでデータ処理を行います。これにより、以下のことが可能になります。
EV充電は家庭の電力需要を倍増させる可能性があります。一方で、これは「調整、管理が可能な電気負荷」でもあります。日本の住宅用のフィーダー(送電線)は、ピーク需要の多様性が低いため、管理されていないEVの普及は、地域的な制約を引き起こすリスクがあります。Sense EV Analyticsは、以下の特長により、このような状況の変化に先手を打つことができるソリューションです。
単にピーク時間帯を避けるだけでは不十分です。TOU料金と再エネ発電や炭素強度は必ずしも一致しません。Senseは、地域や状況に応じた「動的」な充電シフトを可能にし、家庭が最も「安く・クリーンで・供給豊富」な時間帯に充電できるようサポートします。
Senseのソフトウェアは、次世代スマートメーター(AMI 2.0)に対応し、セルラー、Wi-Fi、メッシュなど複数の通信プロトコルをサポートしています。高解像度波形解析と日本独自の電気負荷への対応も進行中で、日本全国へのAMIの普及を視野に入れています。
EV充電を柔軟でグリッドに優しいリソースへ – その出発点は、スマートメーターです。